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01/14/2021

No.0440 XPSによるシリコンウェハ表面のシラノール基定量

従来、シラノール基についてはFT-IRなどの方法により評価されていたが、試料間の比較にとどまることや、反応に寄与しない成分も結果に含まれるといった課題があった。本件では、条件を最適化したシラン処理(特開2017-198458)をシリコンウェハに施し、自然酸化膜表面のシラノール基を定量した事例を紹介する。

シラン処理について

Fig.1 シラン処理模式図  
シラン処理剤であるクロロシランは、シラノール基と反応し,シロキサン結合を形成する。
ハロゲン、N、S等のラベル元素(C、H、O以外)を分子内に含んだシラン処理剤を用いてラベル化する。

シリコンウエハへの適用:XPS

シリコンウエハ表面の自然酸化膜について、シラノール基にシラン処理を施してXPS測定を行った。表面組成(Atomic %)から表面シラノール基量(ケイ素の元素数比)を算出した。
また、加熱処理によってシラノール基量は3~4割減少することが分った。
Fig.2 各試料のXPSスペクトル
シラン処理+XPSにより、反応に寄与するシラノール基を選択的、高精度に定量できる。
粉末、ガラス繊維、ガラス板などの試料に対しても適用できる。

分析機能と原理



カテゴリー

自動車, IT機器, 材料・素材, 半導体・実装

分類

有機材料・化成品, 金属・無機材料, 電子・機能性材料, 複合材料, ナノ材料