07/26/2017
No.0329 血中の超微量金属の一斉分析 －高分解能ICP-MSによる分析－
近年、微量元素と種々の疾病との関わりについての知見が蓄積され、疾病発症との因果関係や治療法あるいは予防法への応用展開が注視されている。しかし、生体中に極めて微量にしか存在しない金属元素を高感度かつ正確に定量することは困難である。今回、マイクロ波試料分解法および高分解能ICP-MS(ICP-HR-MS)を用いることにより、これら生体試料中の超微量金属の一斉分析が可能となったので以下に紹介する。
分析方法
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| The ICP-HR-MS spectra of human plasma sample |
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| ICP-HR-MSでは、目的イオンと種々の妨害イオンを分離して測定することが可能である。 |
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| 検出限界 |
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Detection limits for each element in human
plasma and serum
| Each detection limit was estimated on the basis of 3s of blank sample. |
| 概ね0.05 ng/mLの検出限界で測定可能である。 |
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| 妥当性の確認 (G-EQUAS) |
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Youden-plot for the plasma Se and Mn concentrations
| 2008年度国際的ラウンドロビン試験（G-EQUAS 41）において、血漿中Al, Cr, Co, Cu, Mn, Ni, Pt, Se, Zn濃度の認証を取得した。 |
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| 分析例（心疾患患者血清） |
Concentrations of ultratrace elements in the serum of healthy controls (n=15)
| コントロール群と心疾患患者群の血清SeおよびMn濃度のプロットにおいて、両群に有意な違いが見られ、病態の把握あるいは診断に対する有効性が示唆された。 |
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Se and Mn concentrations in the serum of heart failure patients (red) and healthy controls (blue)
分析機能と原理
カテゴリー
ライフサイエンス , 医薬
分類
薬物動態