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10/08/2021

No.0503 高感度質量イメージング装置(NanoSIMS 50L)を用いた有機材料中の元素分布評価

国内初導入の高感度質量イメージング装置(NanoSIMS 50L)は、 SIMS(二次イオン質量分析)の中で最も空間分解能が高く、同時に高感度、高質量分解能を両立することが可能な質量イメージング装置である。今回は有機材料(フィラー入りフィルム、ABS樹脂)中の元素分布を評価した事例を紹介する。

NanoSIMS 50Lの特徴
 * 測定元素の組み合わせに制限有り   
 
 
【 特長 】
SIMS手法の中で最も空間分解能が高い
主成分元素だけでなく、不純物元素の評価が可能(高感度な元素分析手法)
水素など軽元素の評価も可能
電子染色、薄膜化などの特殊な前処理が不要

分析事例

フィラー(SiO2)入りフィルム [視野:10 × 10 μm]
 
 
 ♦ O, Siの分布から化合物としての SiO2フィラーの面内分布を評価することができる!
   元素および面内の分布によってはSEM-EDXよりも高い空間分解能で元素分布を評価できる※   
※SEM-EDXの空間分解能 :測定元素に依存       

ABS樹脂 [視野:5 × 5 μm]
 
 ♦ Nの分布からAS相(海:緑色)  B相(島:黒~青色)の海島構造を評価することができる!
   サブμmレベルの元素分布を質量干渉なく、評価できる
 
 ♦ S, ClはAS相よりもB相の方が濃度が高いことが分かる!
   不純物元素の分布を主成分元素と同時に評価することが可能である
     高い空間分解能と 高い質量分解能が両立し、高感度なNanoSIMS 50Lだからこそ評価が可能である

カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料