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09/30/2014

No.0122 シリコーン系化合物のテトラエトキシシラン分解による共重合組成分析

シロキサン結合(Si-O)を有するシリコーン化合物は、耐熱性、耐候性、絶縁性等の特徴を有し各種機能性材料や電子材料に汎用されている。一方、テトラエトキシシラン(TEOS)分解はシロキサン結合を分解でき、シリコーン化合物の構成モノマーの分析に有効な前処理法である。ここでは、かご型シルセスキオキサンと共重合ポリシロキサンについて従来からのNMR、MALDI-MSに加え、TEOS分解・GC/MS分析を行った事例を紹介する。

ポリシルセスキオキサンの分析

固体13C-NMR測定

T<sup>Ph</sup><sub>8</sub>の<sup>13</sup>C DD/MASスペクトル

TPh813C DD/MASスペクトル

MALDI-MS測定

TPh8は溶媒不溶であるが、固体NMRとMALDI-MSにより置換基と分子量を確認できた。

T<sup>Ph</sup><sub>8</sub>のMALDI-MSスペクトル

TPh8のMALDI-MSスペクトル


TEOS分解・GC/MS測定


アルカリ条件下で、シリコーン化合物にTEOSを反応させることにより、シロキサン結合が選択的に切断されエトキシ化される。
TPh8ではTEOS分解物のGC/MS測定により、フェニルトリエトキシシランが検出された。

1H-NMRスペクトル

1H-NMRスペクトル


共重合ポリシロキサンの分析

1H-NMR測定



TEOS分解・GC/MS測定






TEOS分解物のGC/MS測定より、ジメチル、メチルビニル、メチルフェニルの各ジエトキシシランが検出され、これらの置換基を有するモノマーで構成されていることがわかった。


分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料