10/01/2021
No.0496 積分球を用いた赤外放射率の間接測定
広帯域測定に対応した積分球を用いて試料の反射率、透過率を測定し、放射率を計算によって求める間接測定を行っている。積分球を用いることでセラミック板、樹脂板などの光の散乱が大きい試料に対しても、任意の温度条件・幅広い波長領域の放射率測定が可能である。
物質の放射率と間接測定について
① 試料の
反射・透過率スペクトル
から
吸収率 (α)
を算出
吸収率 (α) =1-反射率 (r) -透過率 (t)
=放射率ε (λ)
熱平衡状態では吸収=放射の関係が成り立つ (キルヒホッフの法則)
積分球により、散乱成分も含めて評価することで正確な反射率・透過率を測定可能
近~遠赤外領域 (2~25 μm) の測定に対応可能
※ 別途紫外~近赤外測定用積分球を用いることで、
0.25~2.5 μmの短波長側も測定可能
②
黒体の放射エネルギー
(
M
black
(λ)
) をプランクの式から算出
放射エネルギー (黒体放射) の特性
紫外・可視~赤外領域まで幅広く分布
③
試料の放射エネルギー (
ε(λ) ×M
black
(λ)
)
を算出
④ 黒体と試料の放射エネルギースペクトルを、目的とする波長範囲で積分し、比をとることで
全放射率 (ε)
を算出
セラミックス試料の放射率測定例
反射・透過および放射率スペクトル
試料および黒体の放射エネルギー分布
室温の放射率スペクトルとプランクの式から、任意の温度の放射エネルギーを算出
※
熱で組成が変化するなど放射率スペクトルが変化する温度領域では換算不可
同種の試料でも温度ごとに放射率は異なる
実際に使用する温度条件のデータで比較
お客様のご要望に合わせて紫外~遠赤外まで幅広い波長領域での放射率測定に対応しております。
お気軽にお問い合わせください。
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