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01/27/2017

No.0319 プロテオミクス・糖鎖結合部位の分析

質量分析計のめざましい発展により、タンパク質の網羅的な解析が可能となり、タンパク質の発現やその機能に関する包括的な研究開発に有用な手段となった。効率的な疾患の原因となるタンパク質の解明や診断マーカーの研究開発には、タンパク質の発現量や翻訳後修飾を解析することが重要である。

1.非標識プロテオミクス

試料中に含まれるタンパク質を数百から数千種類同定し、同時にペプチド断片のイオン検出強度情報から同定タンパク質を検体間で定量的に比較できる。

標識試薬が要らず安価
試料調製が単純、ロスが少ない
比較試料の数に上限がない

あらゆる組織、細胞、生物種に対応!

 

検出強度の比較の様子

 

多検体の同時比較

2.リン酸化プロテオミクス

タンパク質のリン酸化は翻訳後修飾のひとつで、特に可逆的なリン酸化は細胞内シグナル伝達の中心的な役割を担っている。独自のリン酸化ペプチドの回収技術とLC-MS/MSを用いてリン酸化プロテオームを分析できる。

 

 

3.プルダウン試料の比較解析

プルダウン法と質量分析により、特定のタンパク質や低分子と相互作用するタンパク質を探索・同定することができる。タンパク質複合体の同定や翻訳後修飾に依存したタンパク質相互作用の分析、競合化合物による結合阻害実験等に適している。

 


4.糖鎖結合部位の分析

糖タンパク質の糖鎖は生物活性、体内動態、免疫原性等に大きく関与しているため、糖タンパク質医薬品を開発する場合には特性解析でその糖鎖構造を明らかにすることが求められる。適切な前処理とLC-MS/MSの活用により、糖鎖構造解析および糖鎖結合部位の分析ができる。

 


プロテオミクスに関する分析メニュー
○ 非標識プロテオミクス○ プルダウン試料の比較解析
○ リン酸化プロテオミクス○ 糖鎖結合部位の分析
○ エクソソームのプロテオミクス○ 極微量タンパク質の同定
○ 血漿・血清のプロテオミクス○ SRM(MRM)によるタンパク質の同定
○ 植物のプロテオミクス○ バイオマーカー探索
○ 培養上清のプロテオミクス○ レーザーマイクロダイセクションによる試料回収
○ 多検体のプロテーム比較解析○ プロテオームデータを用いたネットワーク解析

カテゴリー

ライフサイエンス , バイオ

分類

タンパク質