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10/09/2014

No.0216 硬X線光電子分光法による状態分析への新たなアプローチ

-「より内部」や「埋もれた界面」の非破壊分析を目指して-
硬X線光電子分光法( Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy:HAXPES)は、励起X線として硬X線(6~8keV程度)を用いた光電子分光法であり、軟X線を用いたXPS(ラボXPS)よりも検出深さが深いことを特徴とする。そのため、非破壊で「より内部」や「埋もれた界面」の化学状態解析が可能である。

原理・特徴

原理・特徴

ラボXPS

ラボXPS

HAXPES at SPring-8

HAXPES at SPring-8

光電子強度の減衰曲線(SiO2)

減衰曲線の計算式
Φ(z) = exp(-z /λ)
z:深さ、λ:光電子の平均自由行程
λ[ラボXPS] : 3.3nm(hν=1.5keVで励起したSi2p)
λ[HAXPES] : 6.9nm(hν=7.9keVで励起したSi1s)
*λはM.P.Seah et al., Surf. Interface Anal.,1, 1, 2(1979).の計算式(無機化合物)により計算
SiO2の密度:2.21g/cm3と仮定


適用例

より内部の分析評価例(粉末試料:CoO, Co3O4)
CoO(表層がCo3O4に変質)
Co3O4
CoOは表面変質層(Co3O4)の情報が主体

ラボXPS表面が敏感なため2試料の違いは捉えられない
CoOにおいてCo2+特有のサテライトピークを検出

より内部の状態分析が可能!


半導体分野  ゲート絶縁膜、キャパシタ材料
例)ゲートスタック構造の評価「埋もれた界面」
試料提供:東京大学 喜多准教授

ディスプレイ分野  透明電極材料

電池分野  電極などの部材
その他

分析機能と原理


カテゴリー

半導体・実装

分類

LSI・IC・メモリ