09/17/2015
No.0262 SiC先端パワーデバイスの応力の温度依存性評価
炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の特徴の一つとして高温動作可能であることが挙げられる。実現のためには適したパッケージング技術の開発が重要である。ラマン分光法を用いて、応力の温度依存性を計測することで、熱応力低減への知見を得ることができる。
●4H-SiCのラマンスペクトル
結晶に異方性が存在するために測定配置により、スペクトルは変化する。今回は、いずれの配置でも検出可能なE2モードのシフトを応力評価に利用。
●MOSFETの局所応力評価
Local residual stress in SiC MOSFT
ラマン分光法により素子の局所応力を評価することができる。本MOSFETでは、ソースおよびゲート側で圧縮応力、ソース、ゲート間で引張応力が生じている。
はんだ部に近いB,Cで圧縮応力が生じている。この圧縮応力は低温ほど増加する傾向にある。
試料を-196℃に急冷したところ、SiCとはんだ界面でクラックが発生した。室温の応力測定からB,Cの応力が小さくなる傾向が認められた。B,Cでははんだからの応力が支配的であると考えられる。
・ | 接合温度(リフロー温度)では応力フリー。 |
・ | Cuおよびはんだの熱膨張係数(CTE)の方がSiCのCTEよりも大きいため低温ではSiCチップには圧縮応力が発生。 |
・ | ラマン分光法を用いることで低応力設計の指針を得ることができる。 |
分析機能と原理
カテゴリー
半導体・実装
分類
実装・パッケージング