02/08/2021
No.0454 発生ガスのオンライン精密質量測定 -TPD-TOFMS分析-
温度制御可能な加熱炉に、高分解能な時間飛行型質量分析計(TOFMS)を組み合わせたTPD-TOFMS法を開発した。これまで困難であった同一整数質量成分(COとN2、SO2とS2等)の分離・定性が可能となり、加熱時の発生ガスのより詳細な解析が可能となった。
TPD-TOFMSの概要
|
新規TOFMS 加熱炉 |
|
高分解能なTOFMSと加熱炉とを組み合わせることで、発生ガスの詳細な同定と発生温度域の情報を得ることが可能。 |
装置スペック
加熱温度 | 室温 ~ 1000℃ |
昇温速度 | 1℃/min ~ 50℃/min |
雰囲気 | He、O2/He 等 目的成分によりAirも可能 |
測定質量数範囲 | m/z 2 - 300 |
質量数精度 | ± 0.001 ※ 設定条件により変動 |
測定例
硫化物全固体電池用材料※1 | | |
全固体電池材料の加熱発生ガス分析では、「安全性評価(どのような成分が発生するか)」、「加熱工程での試料変化」の情報を得ることができる。 |
※1 産業技術総合研究所 関西センター 田渕光春先生、小島敏勝先生ご提供 |
| | |
| |
TPD-TOFMSでは、従来のTPD-MSと同様に各成分の発生挙動確認ができる上に、「精密質量による成分分離」が可能である。 |
|
| |
質量スペクトルを詳細に解析することで、SO2の近傍に同一整数質量数(m/z 64)であるS2(環状S6、S8のフラグメントイオン)が存在することを確認。 |
|
|
| |
| |
カテゴリー
自動車, 電池, 材料・素材
分類
リチウムイオン電池, 加熱発生ガス