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02/28/2023

No.0650 SPRを用いたHost Cell Proteinの高感度検出法の構築

HCP(Host Cell Protein)は宿主細胞由来のタンパク質であり、抗体医薬品産生時に混入する可能性がある。HCPは医薬品製剤の品質に影響を及ぼす可能性があり、迅速な定量が重要となる。SPR(Surface Plasmon Resonance)を用いることで、より多くのHCPを網羅した高感度な定量法を構築したのでここで紹介する。

SPRによるHCP定量法
・ 1種類の抗体で検出可能
・ 分子量変化で検出するため、抗体ラベル化の必要がない
・ 抗血清を使用するため、抗体精製の必要がない
      
 迅速により多くのHCPを網羅した測定が可能
  

検量線の作成

試料の評価

本研究は、令和4年度AMED創薬基盤推進研究「先端的バイオ医薬品の最適な実用化促進のためのCMC分野における創薬基盤技術の高度化に関する研究」において実施した。
- まとめ -
SPRを用いてCHO細胞由来のHCP定量法を開発した。本法は抗血清を用いることから、1種類の抗体で、より多くのHCPを網羅した評価が可能だと考えられる。その検出感度は0.156 ng/mLであり、Human IgGの影響なく、評価が可能であった。トラスツズマブ製剤中のHCPは検出されず、充分に除去されていることが確認された。HCPの混入評価や除去法の検討に高感度で迅速に測定できるSPRは有用な評価法であると考えられる。

カテゴリー

ライフサイエンス , 医薬, バイオ

分類

創薬研究支援, タンパク質, 抗体, 異物