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09/25/2014

No.0071 薄膜Si系太陽電池の不純物分析・構造評価

低コスト化を目指した薄膜Si系太陽電池の研究開発は近年盛んに進められており、課題とされてきた変換効率の向上も、光吸収層をタンデム積層する技術により改善されてきている。ここではアモルファスSiの不純物分析・構造評価事例を紹介する。

試料構造

試料構造

ラマン分光法によるα-Si層の膜質評価

Si薄膜太陽電池では、成膜条件によりSi膜の結晶性やSi膜中のHの結合状態が異なる。上図に示すように、ラマン分光法を用いると、非破壊で太陽電池中のα-Siの秩序性やSi-Hの結合状態を評価することができる。パネル1では、TOフォノンの半値幅が狭いことよりα-Siの秩序性が高いと推定される。また、パネル1の方がSi-H結合が多いと考えられる。


ダイナミックSIMSによる深さ方向分析

Si薄膜中のドーパントや不純物の濃度、深さ方向分布は、太陽電池の特性に大きく影響を与えるため、その評価は重要である。また、透明導電膜の組成や不純物の制御等はオプティカルマネジメントの上で重要な要素となる。ダイナミックSIMSでは、複数の測定条件を用いることで、各注目元素の濃度分布に関する正確な情報が得られる。また、テキスチャ構造の試料についても、測定条件を最適化することで深さ方向分解能を改善することが可能である。

主成分元素等

主成分元素等

軽元素

軽元素

ドーパント

ドーパント

SIMSの結果よりガラス基板側から、SnO2 / ボロン、炭素を含むp-α-Si(C) / ノンドープα-Si層 / リンドープn-α-Si層 / Al電極の積層構造になっている。 SnO2 / p-α-Si界面付近で、Znが検出されている。


TOF-SIMSによる3D組成・不純物イメージング、デプスプロファイル測定




TOF-SIMSでは、デプスプロファイル用イオンガンを併用することで、各元素の深さ方向分布や面内分布に関する情報が得られる。

 

分析機能と原理


カテゴリー

電池

分類

太陽電池