10/03/2014
No.0168 ESRによる光触媒における反応中間体の評価
触媒の反応は、原料物質が活性部位に移動し、中間活性物質を経て、最終生成物が生み出される。通常の組成分析は、安定な最終生成物の分析となり反応機構の間接的な評価手段である。ここでは、低温で光触媒とトリエチルアミンを光反応させ反応中間体を凍結させ、ESRにより活性種の分析を行った例を示す。
市販の光触媒を石英ガラス上にスプレーし、トリエチルアミンを塗布後、10Kで光照射しながらESR測定を行った。
光触媒のESRスペクトル(10K)
シミュレーション・スペクトル
光照射により、二酸化チタン(アナターゼ)上の酸素分子ラジカル(Ti4+-O2-)の生成が観測された。 シミュレ-ションの結果から、トリエチルアミンの光触媒反応では、ニトロキシドラジカル(>N・-O)とメチルラジカル(・CH3)が生成していることが分かる。
ESR法を用いると、触媒表面の活性酸素ラジカル(O-,O2-,・O2H,O3-)や反応中間体(ラジカル)を観測することができる。
分析機能と原理
カテゴリー
材料・素材
分類
光触媒・触媒