close

11/11/2019

No.0381 樹脂材料の接着 -熱融着界面の分析評価-

樹脂材料を用いた接着では、樹脂組成やその結晶性が接着強度に大きな影響を与える。接着不良を改善するためには、適切な観察方法と最適な分析手法を組み合わせてアプローチすることが必要である。

接着の主な要因と分析手法

実際の接着強度は接着界面の分子間力に+αが加わったものであり、使用温度、応力(膨張・収縮)、試料形状なども含む様々な要因が絡み合っている。

分析項目
分析手法
接着要因
 表面・界面の組成、化学構造 XPS, TOF-SIMS, FT-IR 物理的・化学的結合
 表面・界面微細形状、結晶状態 等 SEM, TEM, 偏光顕微鏡観察, AFM, X線回折, DSC, Raman 機械的・物理的結合、分子拡散
 濡れ性・表面自由エネルギー 接触角 物理的・機械的・化学的結合
接着の主な要因と分
析手法

ラミネートフィルムの熱融着

<試料> 5層構成アルミラミネートフィルム PET(10)/LLPE(10)/Al(10)/LLPE(10)/LDPE(80)   ()内は厚み(μm)
       2水準 ピール強度 高
            ピール強度 低
 90℃は全体的に溶融し、 再結晶化したと判断される。これにより強い接着強度を発現したと推定される。
 一方、60℃はプレス面のみ溶融が進行しており、界面を有する擬似融着である。物理的、機械的接合を生じていると推定される。

分析機能と原理


カテゴリー

自動車, IT機器, 材料・素材, 半導体・実装, ライフサイエンス

分類

高分子材料, 有機材料・化成品, 電子・機能性材料, 複合材料, 実装・パッケージング, 医療機器・医療材料