07/11/2019
No.0372 CD, NMRによる核酸の構造解析
核酸の高次構造は塩基配列をはじめ、塩濃度や温度などに依存して変化する。核酸の高次構造評価には、一般的にCD(円偏光二色性)やNMRなどが用いられる。以下に、CDおよびNMRを用いた核酸の構造解析例について紹介する。
CD分析について
CDスペクトルの波形から、二重らせん構造を判別
主にA型、B型、Z型があり、それぞれ異なるスペクトルを示す
ex. 250 nm 付近の負のピークと280 nm 付近の正のピーク
→ B型二重らせん | モデル核酸:d(CGCGAATTCGCG)2
Tm値(2本鎖の50%が1本鎖に変性する融解温度)の算出
核酸の安定性のパラメーター |
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| CD測定条件:0.2 mg/mL DNA, 100 mM NaCl,
10 mM NaH2PO4, pH=7 |
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NMR分析について
1H NMRスペクトル | 2次元NMRによる塩基配列の解析 |
12~14ppm付近のピーク: 水素結合を形成している水素原子
→ 二重鎖の形成を示唆 | NOESYによる塩基芳香環プロトンとリボース1位プロトンの相関による連鎖帰属 |
温度上昇に伴う二重鎖の解離を観測 | NMR測定条件:10%D2O, 8.0 mg/mL DNA,
100 mM NaCl, 10 mM NaH2PO4, pH=7;
500MHz |
分析機能と原理
カテゴリー
ライフサイエンス , 医薬
分類
創薬研究支援, 構造決定・特性解析, バイオ医薬品