06/11/2015
No.0246 溶解パラメータ(SP値)を用いた材料の耐溶剤性評価
試料と溶媒の相互作用を3成分(分散、極性、水素結合)に分割、三次元空間の点(ベクトル)で表示するHansenの溶解パラメータ(HSP)を用いれば、従来のSP(HildebrandのSPなど)値と比較して、より詳細な耐溶剤性評価が可能であり、粒子分散性や接着性評価への応用も考えられる。
●HSPとは?
材料と溶媒の相互作用を3成分(分散、極性、水素結合)に分け、三次元空間中の点(ベクトル)で表示する。
HSPは従来SP情報を包含し、ベクトルの向き(HSP距離)を含めた親和性評価指標である。
●HSPの測定手順(試料:ニトリルゴム)
①
測定対象試料をSP値の異なる溶媒に浸漬し、試料の重量変化から膨潤度を測定。
②
膨潤度の結果をHSP三次元空間にプロット・解析することで、測定対象試料のSPと相互作用球半径(膨潤度1.5に相当)を求める。
HSP三次元プロット
●HSPと従来SPの比較(HSPによる膨潤度推定)
ニトリルゴムの膨潤度について、従来SPとは相関が見られないが、HSP 距離とは良い相関が見られており、HSPにより膨潤度の推定が可能である。
* 下記図中の数字は膨潤度測定の溶媒No.
従来SP値
HSPプロット
●HSPの応用事例(ニトリルゴムの耐溶剤性評価)
混合溶媒のHSPは、組成および各成分のHSPから求めることが出来る。
アセトニトリル:ブタノール=1:1混合溶媒にニトリルゴムが膨潤することは、HSPに基づく予想と合致する。 ⇒ HSP実測値から、各種溶剤耐性(膨潤性)が推定可能。
HSP3次元プロット図
カテゴリー
材料・素材
分類
高分子材料