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10/28/2019

No.0378 UV硬化樹脂の硬化過程評価

UV硬化樹脂は、短時間で硬化し各種用途に適した物性が得られるが、硬化条件によっては所望の性能が得られないケースもある。物性の管理・向上のためには、硬化状態の把握が重要である。ここでは、硬化状態の指標となるC=C残基量(構造変化)および緩和時間(分子運動性)の評価事例について紹介する。

C=C残基量評価 (FT-IR法)

in situ 評価
反応過程のin situ FT-IR スペクトル
窒素パージ雰囲気下と大気雰囲気下での
in situ 測定結果 (C=C残基率の比較)
UV照射時間を変えた時の
in situ 測定結果(C=C残基率の比較)
  ●架橋により減少するC=C残基量を把握することで、硬化の進行状態を推測可能。
  ●実UV硬化反応環境での構造変化をサブ秒オーダーで評価可能。
  ●C=C基が架橋以外の反応で消費される場合や架橋構造に多様性がある場合は、物性値とC=C残基量が相関しないケースもある。
   パルスNMR (TD-NMR)と併用により、より詳細な硬化状態解析が必要。

緩和時間評価 (パルスNMR法*)

バッチ評価: UV照射時間を変えた試料を作製し、パルスNMR測定を実施
◆緩和時間T1H測定
◆緩和時間T2H測定
  ●分子の運動性を反映する「緩和時間」をパラメータとして取得することで、硬化状態を把握することが可能。
  ●機械物性と相関を示す傾向にあり、必要な物性を発現する反応時間、条件を把握するのに有効。
   機械物性評価法よりも測定試料形態の制約が少ない。
  ●構造情報は得られないため、制御すべき構造因子を把握するためにはIR, NMR等の構造解析手法と組み合わせる必要がある。

分析機能と原理


カテゴリー

IT機器, 材料・素材, 半導体・実装

分類

高分子材料, 電子・機能性材料, 実装・パッケージング