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12/11/2014

No.0232 高分子ハイドロゲルの架橋構造解析

衛生用品、食品加工、医療材料として注目されている高分子ハイドロゲルについて、ゲル-ゾル転移、イオン架橋の寿命やサイズに関する情報を、動的粘弾性法や動的光散乱(DLS)測定によって得ることができる。

動的粘弾性測定、DLS測定によるゼラチンゲルのゲル-ゾル転移の確認

動的粘弾性法では、微小歪みを付与することで、試料の構造変化を鋭敏に検出できる。温度低下に伴って、20℃付近から液体(ゾル)状態(G’<G”)からゲル状態(G’>G”)への変化が生じていることがわかる。
DLSでは散乱強度の揺らぎから散乱体の大きさを推定できる。
25℃~40℃ではゾル(溶液:サイズ小)状態であるが、20℃では①、②が観測されゲル化が生じていると推察される(動的粘弾性より支持)。

動的粘弾性測定によるPVA物理ゲルの架橋点寿命推定

網目鎖となるPVAと架橋点となるホウ酸が増加すると剛性率(G’,G”)が増大する。
架橋点が消滅しない化学ゲルは低角周波数域のG’が一定となるが、架橋点の生成・消滅が生じる物理ゲルは、架橋点消滅に伴って流動する性質(低角周波数域のG’が角周波数と共に低下)が発現する。流動性を示す角周波数の逆数を架橋点の寿命とみなすと、網目鎖濃度増加と共に寿命が長くなる。

DLS測定によるPVAクラスターサイズ確認

網目鎖となるPVAと架橋点となるホウ酸が増加すると長時間成分の成長が認められ、クラスターサイズが増大しているものと推察される。


カテゴリー

ライフサイエンス

分類

医療機器・医療材料