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09/26/2014

No.0085 レーザー気化導入ICP-MSによる材料中の金属のイメージング

-燃料電池電解質膜中の触媒分布測定-
レーザー気化導入(LA)ICP-MSは、集光したレーザー光を試料に照射し、生じた微粒子をArのプラズマに導き、イオン化して質量分析を行う方法である。本法ではレーザーが照射されたエリアのみが分析対象となることから、局所的な情報を得ることが可能である。ここでは、LA-ICP-MSの特徴と、材料中の金属のイメージングへの適用事例について紹介する。

概要

Fig. 1 LA-ICP-MSの装置構成

Fig. 1 LA-ICP-MSの装置構成

LA-ICP-MSの特徴
対象元素Li ~ U (ハロゲン、ガス成分を除く)
励起方法レーザー光/ICP(誘導結合プラズマ)
検出システム四重極型質量分析計 (DRC*装備)
照射径4 ~ 200 µm
測定深さ~ 数十 µm
検出感度0.X ppm
(シリコン中のFe laser照射径:100 µm測定)
試料前処理必要に応じて断面出しを行う
*DRC : Dynamic Reaction Cell


燃料電池電解質膜中の触媒分布測定

Fig. 2 試料測定イメージ

Fig. 2 試料測定イメージ

Fig. 3 ライン分析結果(Ptの分布イメージ)

Fig. 3 ライン分析結果(Ptの分布イメージ)

電位変動試験により電解質膜中にPtを析出させたモデル試料について、LA-ICP-MS測定を行った。その結果、アノードから35~40 µm程度にかけてPtが析出しており、カソード側にかけて析出量に勾配が生じている様子が確認された。
本研究の一部は、NEDO「PEFC実用化戦略的技術開発/水管理プロジェクト」で実施したものである。関係各位に感謝申し上げる。



分析機能と原理


カテゴリー

自動車, 電池

分類

燃料電池