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09/08/2021

No.0476 NanoSIMSとEPMAによる積層セラミックコンデンサの元素分析

積層セラミックコンデンサ断面の元素分布をNanoSIMSとEPMAで評価した。NanoSIMSではC, O, Fなど軽元素の分布を明瞭に捉え、さらに界面に偏析している極微量のSiを検出することができた。一方、EPMAでは高い空間分解能でより多くの元素分布を評価し、定量分析を行うことができた。

注目元素の濃度レベルや目的に応じて分析手法を使い分けることが重要である。


NanoSIMSとSEM-EDX、EPMAの比較

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NanoSIMSとEPMAによる積層セラミックコンデンサ(MLCC)断面の元素分析

MLCCの構造             
  
   
   MLCC断面の光学顕微鏡写真
    
   CaZrO3/Niの積層構造に対して垂直に研磨し平滑な面を出した後、研磨面をイメージング分析した。

極微量Siの検出
         NanoSIMS          EPMA
       
 ・ NanoSIMSでは粒界に偏析しているSiが捉えられている。EPMAと比較して極微量の元素を検出することが可能。
 ・ EPMAでは比較的濃度の高い元素(sub%オーダー)の定性、定量分析が得意。
NanoSIMS

 ・ SEM-EDXやEPMAで感度が低い軽元素やF、S、Clを高感度で検出。
 ・ 同位体分析も可能。
EPMA

P02087

 ・ B~Uまでの定量、半定量分析が可能。
 ・ SEM-EDXと比較して感度が高い。

カテゴリー

材料・素材

分類

金属・無機材料, 電子・機能性材料