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02/23/2018

No.0343 化学的Li脱離-挿入による正極の構造解析

化学的Li脱離は電気化学的に高電位状態を模擬した正極活物質を作製することが可能な技術である。脱離後のLiサイトに6Liを化学的に挿入することで、脱離Liと挿入Liを区別して結晶構造を解析することができる。その事例としてXRD、固体Li NMRでLi周辺の局所構造解析を実施した結果を紹介する。

化学的Li脱離-挿入処理と評価項目

化学的Li脱離-挿入処理手順

Li脱離後のNCA活物質の局所構造解析と平均価数変化

7Li NMRによる構造解析
Li脱離に伴うNiの価数変化を反映したピークシフト
XRD( Bond valence sum)による平均価数の分析
脱離-挿入後の平均価数は3.1~3.2価

Li挿入後のNCA正極活物質の局所構造解析 

脱離-挿入後ではNi3+に還元されなかったNi4+が僅かに存在
脱離(充電)と挿入(放電)で挙動はほぼ同じ

NCAの不可逆容量の原因は、Niの価数変化に由来する可能性を示唆

分析機能と原理


カテゴリー

電池

分類

リチウムイオン電池