10/12/2023
No.0675 3次元蛍光スペクトルの応用展開
3次元蛍光スペクトル(励起蛍光マトリックス)測定は、励起波長を変化させて蛍光スペクトルを取得することで、吸収スペクトルに関連した情報も得ることができ、試料に固有のスペクトルパターンを示すことが多く、試料のキャラクタリゼーションに用いることができる。
ポリマーの劣化分析への応用
ポリスチレン(PS)をUV+オゾン処理(0~30 min)させた際の3次元蛍光スペクトル変化の事例を示す。
【3次元発光スペクトル】
劣化と共にPS骨格由来の発光は減少し、励起波長によって様々な長さの共役系(C=C, C=O等)による発光が観察され、劣化の程度を評価可能。
生体試料への応用
細胞中のアミノ酸(トリプトファン、チロシン)、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、NADH(nicotinamide adenine dinucleotide)、 FAD(flavin adenine dinucleotide)等は、自家蛍光を有する。
ここでは、ブタ肝組織におけるエタノール代謝について、エタノール浸漬による3次元蛍光スペクトル変化の事例を示す。
【 浸漬試験フロー 】
【 3次元発光スペクトル 】
エタノール浸漬によりNADHが増加し、代謝反応が示唆された(WST-1 Assay を用いた比色分析からもNADHの増加が示唆)。
カテゴリー
ライフサイエンス
分類
医療機器・医療材料
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