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07/22/2020

No.0422 高感度質量イメージング(NanoSIMS 50L)による金属材料の元素分析

国内初導入の高感度質量イメージング装置(NanoSIMS 50L)とSEM-EDXを用いて金属材料の元素分布を評価した。SEM-EDXは空間分解能が高く、比較的短時間で定性および定量分析を行うことが可能である。一方、NanoSIMS 50LはSEM-EDXと比較して検出感度が高いため、粒内および粒界の極微量元素分布をより詳細に捉えることができる。

NanoSIMS 50LとSEM-EDXの特徴

  高感度質量イメージング ⇒ EDXでは検出困難な極微量元素も評価可能。不純物元素の詳細な分布の評価に適している。
   (NanoSIMS 50L)
 ■ SEM-EDX       ⇒ 主成分元素や比較的濃度の高い不純物の定性分析および半定量分析に適している。

SEM-EDXによるチタン合金の元素分析

SEM-EDXによるチタン合金の元素分析


チタン合金の組成および面内分布が確認された。
※ Al, Ti, Fe, Cuが主成分レベルで含まれており、Al濃度の高い領域ではFe, Cu濃度が低い傾向が見られる。
高感度質量イメージング(NanoSIMS 50L)によるチタン合金の元素分析


※ SEM-EDXとは別箇所にて分析を実施

    ※ SEM-EDXとは別箇所にて分析を実施
SEM-EDXでは検出されていないC, Si, Cuの粒内分布やSの粒界偏析NanoSIMS 50L明確に捉えられた。
※ 結晶粒や界面でC, Si, S, Cu濃度に有意な差が認められた。金属材料において粒内の元素分布や粒界偏析が機械的特性に影響を及ぼす可能性があるため、合金性能を制御する上で詳細な元素分布の評価は重要であると考えられる。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

金属・無機材料