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09/09/2021

No.0479 封止樹脂の水分バリア性評価

二次イオン質量分析(SIMS)と同位体マーカー(D2O)を用いた水分透過性の評価手法を紹介する。

SIMSのライン分析と組み合わせることで、樹脂などの拡散速度の高い材料における水分透過性の評価や、実デバイスにおける水の浸入量や経路を明らかにすることが可能である。


SIMSを用いた水分透過性評価

(1) D2O加湿処理

 
(2) 開封&SIMS測定

 
(3) デプスプロファイルから拡散プロファイルへの変換

 
 
封止樹脂などの有機材料の場合、水の拡散速度が速いため、
通常のSIMSのデプスプロファイル(nm~μmオーダー)では水分透過性の評価が困難である。
右図に示すように、ライン測定により長距離(>mmオーダー)の拡散プロファイルを取得することで、水分透過性の違いを議論することが可能である。

有機EL向け中空封止構造の水分バリア性評価

試料形状(開封後)
          ・ 拡散方向へD強度が減少するプロファイルが得られた
          ・ 樹脂の硬化時間が長いほどDの浸入量が少ない(バリア性が高い)

カテゴリー

自動車, 電池, IT機器, 半導体・実装

分類

太陽電池, 液晶ディスプレイ, プラズマディスプレイ, 有機ELディスプレイ, 有機トランジスタ, 実装・パッケージング, パワーデバイス・ディスクリートデバイス