02/15/2019
No.0369 ICP-MS/MSによる医薬品構成成分のQ3D対応元素不純物分析
製剤の構成成分の中でも、鉱物性原料(添加剤、原薬)は、Cd、Pb、As、Hgなど、ICH Q3Dでアセスメントが必須とされる元素が混在している可能性が高い。しかし、これらの原料は、マトリックスが複雑であることにより、ICP-MSでは種々の干渉を受けやすく、測定が困難である。最新型のICP-MS/MSを用いた分析例を示す。
分析方法
クラス1及び2A元素のバリデーション結果(オプション1)
ICH Q3Dのオプション1は、製剤の一日投与量を10g以下としたときの、各構成成分に共通の許容濃度限度値である。クラス1元素、クラス2A元素について、許容濃度に対して10~150%の範囲で添加試料を調製し、添加回収率(n=3の平均値)及びRSD(n=6)を求めた。いずれも評価基準(添加回収率 70-150%、RSD 20%以下)を満たした。
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滑沢剤、流動化剤、安定化剤、賦形剤など広く使用される。Pb、As、Co、V、Niが混在する可能性が高い。日局ではPb 10ppm以下、As 4ppm以下と規定されている。
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着色剤、光沢化剤、コーティング剤など広く使用される。Cd、Pb、As、Vが混在する可能性が高い。日局ではPb 60ppm以下、As 10ppm以下と規定されている。
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三二酸化鉄(Fe2O3)、四三酸化鉄(Fe3O4)等があり、着色剤として使用される。Pb、As、Co、V、Niが混在する可能性が高い。
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高リン血症治療剤の原薬として使用される。Pb、As、Hg、Co、V、Niが混在する可能性が高い。
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ICP-MS/MSにより、複雑なマトリックスでもオプション1の高感度分析(LOQ:0.1J)が可能である。
分析機能と原理
カテゴリー
ライフサイエンス , 医薬
分類
創薬研究支援, 安定性試験