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10/16/2014

No.0220 レーザーアニール後のSi基板中キャリヤ濃度・結晶性評価

近年、ドーパントの活性化に表層のみを処理できるレーザーアニールが注目されている。

しかしながら、アニール後のドーパントの分布・拡散やキャリアとしての活動を阻害する欠陥の回復状況に関し、十分な知見があるとは言い難い。今回、Si基板中にPをイオン注入した試料を用い、異なるレーザーの照射条件でアニールした試料を用いて、ドーパント分布・欠陥の回復状況を評価した結果を紹介する。


n型Si基板中に2種の異なる条件にてPをイオン注入し、3種のアニール条件にて活性化処理を実施。 試料明細

試料
注入条件
レーザーアニール条件
No.1
A
No.2
B
No.3
C


SIMS,SRAによるドーパント・キャリア濃度分布

SIMS:
表面近傍(~1µm)の繰り返し再現性が低く、面内ばらつきを示唆
SRA:
Sample No.2では、キャリア濃度が低下(抵抗の増大)。
活性化が不十分、キャリアの活動を阻害する欠陥などの存在を示唆。 Sample No.3でも低濃度領域では、同様の可能性あり。

SIMS,SRAによる深さ方向分布
SIMS:P濃度n=2, SRA:n型キャリア濃度

SIMS,SRAによる深さ方向分布 SIMS:P濃度n=2, SRA:n型キャリア濃度


SIMS : 二次イオン質量分析法/Secondary Ion Mass Spectrometry SRA : 拡がり抵抗測定/Spreading Resistance Analysis

イメージデプスによるP濃度分布(No.2)
右上:深さ約0.2µmにおける面内分布

イメージデプスによるP濃度分布(No.2) 右上:深さ約0.2µmにおける面内分布


TEMによる断面観察

No.1欠陥は存在するものの、結晶性は良好。
No.2深さ約100nmに欠陥が多い。表面には非晶質層も存在。
No.3深部に欠陥あり。
⇒ 処理条件により回復状況は大きく異なる。

TEMによる断面観察


CLによる欠陥評価


試料間で、欠陥の種類が異なり、格子間Siのクラスターは、No.3が2よりも大きい。
No.1はCに関係した欠陥が存在。
欠陥は、注入領域よりも深部(10µm以上)まで生成する。

 

分析機能と原理



カテゴリー

半導体・実装

分類

パワーデバイス・ディスクリートデバイス