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08/07/2020

No.0429 UVカットレンズ中の紫外線吸収剤の定性分析

ポリマー中に存在する微量の添加剤は、前処理によりポリマー成分をある程度除去したのちに、各種分析(FT-IR, GC/MS, LC/MS, 1H NMR測定等)を実施することで、定性が可能である。ここでは、ポリカーボネート (PC) 製レンズ中の紫外線吸収剤の分析結果を紹介する。

P01896.pdf
前処理フロー

                  ① 試料を溶解させる。
                  ② PCの不溶性溶媒を加えて沈殿させる。
                  ③ 上澄みと沈殿物を分離する。

上澄み乾燥物の分析

GC/MSおよび1H NMR測定
 GC/MSおよび1H NMRスペクトルにおいて、微小ピークとして紫外線吸収剤Tinuvin® 329と推定されるピークが観測された。
         ただし・・・ 
 PCのオリゴマー成分がメインピークとして観測

LC/UVおよびLC/MS測定
LC/UV-Vis (190-800 nm)クロマトグラム
350 nm抽出クロマトグラム
 
♦ UV-Vis抽出クロマトグラムにより、 紫外線吸収剤の選択的な検出が可能である。
♦ LC/MS測定およびMS/MS解析により、組成式および部分構造を特定。

                
     
添加剤の分析には、GC/MS, 1H NMR, LC/UVおよびLC/MS測定の組み合わせが有効である。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材, ライフサイエンス

分類

高分子材料, 有機材料・化成品, 医療機器・医療材料