08/07/2020
No.0430 エレクトロニクス分野における超音波顕微鏡(SAM)の活用事例
超音波顕微鏡(SAM)は「非破壊で物の中身を見る」ことができる数少ない手法である。本分析事例では、この特徴を利用してエレクトロニクス材料を中心に観察を行った事例を紹介する。
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SAMの概要 |
適用分野 :半導体パッケージ、基板、電子部品、セラミックス、樹脂、金属材料 等
最大走査範囲 :350 mm×350 mm
空間分解能 :10~100 μm程度(超音波の周波数や試料等に依存) |
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X線CT等の他の非破壊観察手法と比べると、SAMは物質の連続性に敏感な手法であり、特に剥離やボイド等に対する感度が高いといえる。
また、パルス超音波を使用しているため、音速等を仮定することで深さに関する情報も同時に得ることができる。 |
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パッケージ中の配線の可視化
外観写真 SAM像 |
外観からは知ることができない、素子内部における各部品の配置を非破壊で観察できる。 |
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MOSFETパッケージ中の剥離・ボイドの検出
未試験品 熱サイクル試験品 |
動作不良の原因となるチップ周辺の剥離やボイド等を高感度に検出できる。 |
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大型ウェハの貼り合わせ不良の検出
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| 300 mmウェハを加工することなくウェハ全体の接合不良箇所を特定できる。 |
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| SAMの長所 |
| ■ 非破壊での内部構造の可視化
■ 剥離・ボイド等に敏感
■ 大面積試料への対応 |
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非破壊で不良の有無や位置を特定できる点が特徴的であり、『各種分析の入口』としての活用も有効である。
カテゴリー
自動車, 材料・素材, 半導体・実装
分類
電子・機能性材料, 複合材料, 実装・パッケージング, パワーデバイス・ディスクリートデバイス