close

09/19/2018

No.0359 異物分析の進め方

1. 形態観察

形態観察は異物分析の第一歩として重要です。 ・衣類の繊維一つ見ても、形状が異なることがわかります。標品として、異物以外の周辺環境で使用されているものを観察することも重要です。 ・異物によっては、SEM観察やSEM-EDXによる元素分析を行うこともあります。

形態観察

2. 微小異物サンプリングと顕微FT-IR分析

フィルム中の異物の分析事例を紹介します。 厚み30μmのPPフィルム中にフィッシュアイ状異物が存在しています。

フィッシュアイ状異物

PPフィルム断面模式図

PPフィルム断面模式図

このまま透過法でIR測定を行っても、PPが厚いためPPしか検出されません。
そこで、微小部サンプリングにより異物のみを摘出します。

微小部サンプリング

微小部サンプリング2

採取した異物を顕微IRにて測定し、組成分析を行います。

顕微IR測定結果

顕微IR測定結果

★ポイント   ・正常部の影響がなく、異物のみのスペクトルが得られています。   ・蓄積している標準スペクトルとの比較により異物の起因物が特定できます。   ・測定した異物を用いて、SEM-EDXによる元素分析を行うことも可能です。

3. 報告書作成

得られた結果をもとに報告書を作成します。
30年以上の実績をもとにした豊富な知見を考察に盛り込み、異物トラブルの解決に向けてご協力させて頂きます。
上記の分析事例の他にも、異物の存在している状況に応じた分析手法をご提案致します。
 
 ・医薬品・医療用具中の異物の組成分析
 ・微小異物の組成分析(作成中)
 ・顕微赤外イメージングの活用(The TRC News)


関連ページ:微小異物分析・付着物分析 "その異物あきらめないで"


分析機能と原理


カテゴリー

IT機器, 材料・素材, 半導体・実装, ライフサイエンス , 医薬

分類

異物