10/03/2014
No.0165 ディーゼル排ガスのPM(粒子状物質)組成評価
ディーゼル排ガスのPM(粒子状物質)は、主にカーボンからなるSoot部位と、そこに付着したSOF(有機溶媒可溶成分)で構成されていると考えられる。SOFは、未燃燃料、エンジンオイル等直鎖炭化水素が主成分と推定されるが、PM低減フィルターを通過してしまう性質がある。また、オイル状物質がSootに付着することでPMが粘性を有し、デポジット生成の助長原因にもなりうる。PM排出量低減のためには、PMの組成を知ることも重要であり、ここでは特にSOFに着目した分析手法を紹介する。
ディーゼル排ガスのPM(粒子状物質)
分析フロー図
GC/MS測定の結果、直鎖炭化水素を主成分とする多成分の混合物と判断されるが、多環芳香族炭化水類及びそれらの酸化物、ニトロ化物等も観測された。イオン化に CI 法を用いると、直鎖炭化水素類はイオン化が抑制されるため、酸化物等の確認が容易となる。
GC/MS測定
クロマトグラム上、多成分が重なり合うと成分のマススペクトルには他成分由来のイオンが観測され、解析精度の低下を招く。分子イオンを特異的に選択した後、開裂させるMS/MS法では、目的成分由来のフラグメントイオンのみが生成するため、解析が容易となり、信頼性も向上する。
MS/MS法による解析
分析機能と原理
カテゴリー
自動車, 環境, 材料・素材
分類
排ガス・排ガス触媒