07/03/2017
No.0326 ICP-MS/MSによるネオジム磁石のTb, Dy分析
Nd 磁石のTb,Dy添加量を把握することは耐熱性向上のために重要であるが、従来の四重極型ICP-MSの測定では Nd 由来のスペクトル干渉の問題があった。ICP-MS/MSの「MS/MS機能(マスシフト法)」はこの問題を解決し、Nd 磁石中のTb,Dyを高感度かつ高精度に測定することができる。
ICP-MS/MSの原理
Fig. 1 ICP-MS/MSの装置構成
QMS1
:分析対象イオン の質量を持つイオンのみを選択してCell に導入
→ 共存元素由来の同質量数の分子イオンも 通過
QMS2
:特定の反応物イオンのみを選択
→ 干渉の無い分析対象イオンが検出器に到達
Fig. 2 Reaction Gasを用いたマスシフト法の原理
MS/MS機能(マスシフト法)による干渉回避
Fig. 3 Collision / Reaction Gasによる Nd 由来の干渉の違い
マスシフト法により Nd由来の干渉を回避可能
Fig. 4 Tb 1ng/mL のプロダクトイオンのスペクトル
(反応ガス:NH
3
,Q1=
m/z
159,Q2をスキャン)
ICP-MS/MSによる高感度測定
Fig. 5 Tb と Dy の検量線
ICP-MS/MSは、ICP-SFMSより高感度測定が可能
市販 Nd 磁石中のTbとDyの分析結果
Table 1 Tbと Dy 分析結果
ICP-MS/MSの高感度測定により、従来法に比べより精度の高い分析が可能となった。
ICP-MS/MSのマスシフト法により
、Nd由来のスペクトル干渉を回避し、TbとDyの
高感度かつ高精度分析を可能
とした。
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材料・素材
分類
金属・無機材料
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