12/09/2021
No.0551 PEFC, PEM型水電解MEA面内における部位ごとの劣化解析
固体高分子型燃料電池(PEFC)やPEM型水電解(Water Electrolysis)では、MEAのガス供給入口側や出口側でそれぞれ異なる劣化が起こる。面内における部位ごとの詳細な劣化解析から、MEAの耐久性向上、材料・設計最適化に有用な情報が得られる。
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MEA分析フロー | |
①XRM(X線顕微鏡)で全体を非破壊観察
②欠陥部位の断面観察、元素分析
③対象部位の詳細分析(膜、触媒層ごとの分離分析) | MEA面内模式図
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①全体観察と、②欠陥部位の発見 | | ③-1 詳細分析 カソード触媒粒径の比較 |
X線顕微鏡像(透過像) | | TEM像およびPt粒度解析結果 |
生成水が滞留しやすいカソードガス出口では、生成水を介した外部からの異物混入によるカソード欠陥が起こっている。 | |
運転試験に伴うPt触媒の溶解・析出に伴い、触媒粒子の肥大化(⇒触媒有効利用面積の低下)が進行する。
カソードガス出口では肥大化がより進行する。 |
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③-2 詳細分析 アイオノマーの構造解析
(適用可能な手法:GPC, 固体NMR, IC, 元素分析, LC/MSなど)
電解質膜の分子量分布(GPC) カソード触媒層アイオノマ中低分子劣化成分の半定量結果(LC/MS)
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カソードガス入口では酸素分圧が高く、高電流密度になりやすいため、過酸化水素およびOHラジカルの生成が促進されることで、電解質(アイオノマー)の低分子量化に伴う劣化が進行しやすい。 |
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カソードガス出口側(異物混入やカソード触媒粒子の肥大化)と入口側(電解質の劣化)で、劣化現象や進行度が異なることが分かり、
特性の理解・考察に役立てることができます。 |
カテゴリー
自動車, 電池
分類
燃料電池