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10/02/2014

No.0154 カーボンナノチューブの形態・構造解析

カーボンナノチューブ(CNT)は、電気伝導に関する性質、熱伝導性、高強度などの特徴を利用して、様々な領域で応用展開が進められている。ここでは、 CNTの性質に繋がる形態・構造解析例について紹介する。

TEM


SWNT:single-wall carbon nanotubes
MWNT:multi-wall carbon nanotubes
DWNT:double-wall carbon nanotubes

MWNT1にはグラファイト構造が屈曲した粒子が見られ、MWNT2はネットワーク構造を形成している。

MWNT1

MWNT1

MWNT2

MWNT2

バンドルを形成しており、不純物として触媒粒子も存在する。SWNT1には様々な径のCNTが観察されるが、SWNT3では直径は比較的揃っている。

SWNT1

SWNT1

SWNT3

SWNT3

ラマン分光

ラマン分光法ではCNTの結晶性や完全性などの評価が可能である。
MWNT1では1350cm-1付近のDバンド強度比が大きく、屈曲構造などに由来する結晶欠陥が多数存在する。単層および二層のCNTではチューブの協調振動モード(ラジアルブリージングモード(RBM)が観測される。

各種CNTのラマンスペクトル(514.5nm励起)

各種CNTのラマンスペクトル(514.5nm励起)


CNTのチューブ径分布

CNTのチューブ径分布


RBMの振動数はチューブ径と相関し、RBMのピーク波数からチューブ径を見積もることができる。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

ナノ材料