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05/19/2020

No.0406 不織布繊維の三次元観察・定量解析 ~配向・屈曲度・曲率~

X線CT, 3D-SEM, TEMトモグラフィーなどを用いて取得した繊維の三次元観察データについて、太さや断面形状だけでなく、様々なパラメータの定量解析によって、特性との相関を調べることが出来る。ここでは、X線CTにより観察したフェルトにおける配向や屈曲度に関する解析事例を報告する。

フェルトの三次元像

P01867.pdf
フェルトの三次元観察データより、配向状態によって①上下層、②中間層、③貫通層の三種類を抽出し、各層について定量解析を実施した。

各種定量解析

■屈曲度の頻度分布
中間層は全体的に直線的である。貫通層は屈曲度が大きい繊維も存在する。
■極角(θ), 方位角(φ)*の頻度分布
極角(θ)の分布より、どの層も90º に近く、概ねXY面内方向に配向している。
方位角(φ)の分布より、中間層と上下層は直交しており、貫通層はほぼ無配向である。

■配向オーダーパラメータS2*

中間層のS2はほぼ1に近く、高配向である。貫通層の配向性は比較的低い。

■曲率の頻度分布

各層の繊維を一本抽出し、繊維全長に渡って曲率を算出。貫通層は曲率の高い箇所が確認できる。
三次元データから任意の領域を抽出し定量的に評価可能。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料