07/22/2015
No.0254 Cryo BIB法による断面作製の進歩と最新の分析アプローチ
Cryo BIB(Broad Ion Beam)法を適用することで、熱によって変形・変質が生じる有機材料についても断面作製が可能である。また、電子部材や電池材料では、形状だけでなく、組成分布、結晶構造なども正確に評価可能である。
●Cryo BIB法の概要
● | 特徴 |
・ | 加工時の温度を0~-150 ℃に制御することで
熱に弱い材料の断面作製が可能となった。
特に温度変化に敏感な高分子材料やゲル状材料などに有効。 |
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● | 適用可能なサンプル例 |
・ | 有機(高分子)材料 |
・ | 電池材料、電子部材、半導体材料 |
・ | 水分を含んだ材料(半液体)やゲル状材料 |
・ | 医療製品、食材、化粧品、塗料など |
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● | 新規装置 スペック |
・ | トリプルイオンガン仕様 |
・ | 加工位置精度 10 μm |
・ | 最大試料サイズ 50×50×10 mm |
・ | 最大断面幅 10 mm |
・ | 冷却機能 0~-150 ℃ (1 ℃ step) |
逆浸透 (RO)膜の断面写真
銅ワイヤ/アルミパッド接合の断面写真
●リチウムイオン二次電池部材の解析事例
リチウムイオン二次電池部材は固体電解質やセパレータ、バインダなどのようにイオンビームでの加工時の熱により劣化変形(蒸発、溶融、分解)する材料が多い。
また、試験品などはより加工の影響を受けやすい。クライオBIB加工(+不活性雰囲気制御)を行うことにより、試料本来の構造を評価することが可能である。
正極活物質(試料提供:大阪府立大学 辰巳砂教授)
セパレータ
負極合剤層
分析機能と原理
カテゴリー
電池
分類
リチウムイオン電池