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11/08/2021

No.0528 Nano-SIMSによる高感度・高分解能Liマッピング

リチウムイオン二次電池(LIB)の開発において、Liの分布の可視化・解析は非常に重要である。Liを非破壊でマッピングできる分析手法は少ないが、Nano-SIMSを用いることで、高空間分解能(50 nm)のLiのマッピング結果を得ることが可能である。ここでは、カーボン負極上に析出したLiデンドライトを測定した例を示す。

O00147.pdf
高分解能イオン顕微鏡 “Nano-SIMS 50L”の特徴
 
            【各表面分析手法の比較】
Nano-SIMS 50L は、SEM-EDXでは難しいLi(およびH)の検出が可能である。
また、SEM-EDXでは捉えられない微量元素の検出も可能な高い感度を誇る最先端ダイナミックSIMS装置である。Nano-SIMSおよびSEM-EDXの両手法ともに、大気非暴露の測定が可能である。同視野で測定を行うことで、SEMの高い空間分解能を活かした相互補完的なアウトプットが可能である。

カーボン負極上のLiデンドライト測定 [分析領域: 30×30 μm]

本事例のように、大気非暴露環境で「電池の解体」、「前処理」から「測定」まで実施可能であり、Nano-SIMSを用いることで、高感度・高分解能のLiマッピングが可能となる。さらにH, C, O, Fも同時測定でき、SEI (Solid Electrolyte Interface) 被膜の分布評価も可能である。



カテゴリー

自動車, 電池

分類

リチウムイオン電池