09/26/2014
No.0104 EDLC電極における電解質の存在状態-固体19F NMR-
EDLCにおける容量発現機構を理解するため、比表面積の異なる炭素細孔体を用いた電極と有機系電解液を組合せ、未分極、分極時に電極に存在する電解質の化学状態について固体NMRから解析した。なお、以下は、群馬大学 白石准教授との共同研究の成果である。
EDLCの構成とセル容量
・活性炭(ACF) |
| フェノール樹脂繊維を原料とする3種類の活性炭 |
・ACFのBET比表面積 |
| (1) 2100m2g-1 |
| (2) 1500m2g-1 |
| (3) 990m2g-1 |
・電解質 |
| 0.5M (C2H5)4NBF4 / propylene carbonate(TEABF4/PC) |
・実験 |
| 三電極式セルで容量測定(2~4Vvs.Li/Li+,40mAg-1)し、分極処理を行った。比表面積が大きいACF電極ほど、大きな容量を示した。 |
固体19F NMRによる電極中のBF4-の状態分析
・ | ACF2100m2g-1を電極とし、充電(positive)、放電(negative)、浸漬(soaked)の状態で19F MAS NMRスペクトルを測定した。 |
・ | Free BF4-と、カーボン細孔中BF4-(In micropore BF4- )の2成分が観測された。 |
| ⇒ | 浸漬、高電位分極(正極)ではアニオンがカーボン細孔中に存在する。 |
| ⇒ | 低電位分極(負極)ではFreeが支配的で、In micropore BF4-は殆ど存在しない。 |
・ | スペクトルはバインダーであるPTFE(5wt%)のピークで規格化した。 |
・ | NMRによりEDLC電極における電解質の充放電挙動を捉えることが可能である。 |
分析機能と原理
カテゴリー
電池
分類
キャパシタ