02/21/2022
No.0581 非標識超解像顕微鏡法による抗体付着ポリマー粒子の動的液中観察
新原理に基づくレーザー走査型顕微鏡は、非染色・非標識で、液中のポリマー粒子を高解像・高コントラストで観察することができる。抗原(抗体)検出法の一種、ラテックス凝集法に用いられる抗体付着ポリマー粒子に着目し、抗原タンパクとの相互作用による粒子の凝集を観察した。
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液中観察に必要な要素 | 顕微鏡の特長 | ポリマー粒子の動的観察 |
液中の微小な有機系粒子を観察するには?
・高分解能
・高コントラスト(染色不要)
・動的な観察
写真提供: アストロデザイン株式会社 | | 液中のラテックス粒子(粒子径約300 nm)
液中の微小なポリマー粒子の動きを非染色で観察可能
試料提供: JSR株式会社・株式会社医学生物学研究所 |
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抗体付着ポリマーの動的観察
①抗原存在下での抗体付着ポリマーの凝集(ポリクローナル抗体) |
凝集模式図(抗原存在下で凝集) |
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粒子表面に抗体(抗原)を付着させ、抗原(抗体)の存在により凝集を起こす(ラテックス凝集法)。今回、粒子に付着させる抗体は、ポリクローナル(抗原の複数箇所に結合)とモノクローナル(抗原の特定箇所に結合)をそれぞれ用意した。 |
試料提供: JSR株式会社・株式会社医学生物学研究所 |
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抗原濃度
液中のポリマー粒子・抗体複合体の動きや凝集過程を撮影し、画像解析。抗原(タンパク)が存在する試料では凝集の粗大化を確認 |
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②抗原濃度による抗体付着ポリマー凝集体の変化(モノクローナル抗体)
抗原濃度 0 ng/ml 400 ng/ml 1600 ng/ml 約10000 ng/ml 約25000 ng/ml |
抗原濃度が高くなるに従い、凝集体が大きくなる。一方、ある濃度を超えると、凝集しない(フック効果) |
微小な抗体付着ポリマー粒子の挙動について、非染色・非標識で動的液中観察が可能となった |
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カテゴリー
材料・素材, ライフサイエンス , バイオ
分類
高分子材料, 有機材料・化成品, 電子・機能性材料, ナノ材料, 医療機器・医療材料, 再生医療/培養装置・培地・試薬, 診断薬・検査機器・バイオセンサ, タンパク質, 抗体, 低分子(天然物、生理活性物質), 異物