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01/20/2023

No.0640 GC/MSによる培地中のジメチルスルホキシドの高感度分析

細胞を凍結保存する際、ジメチルスルホキシド(DMSO)が凍結保護剤として使用されることが多いが、融解後には培地中にDMSOが残留するため、そのモニターが重要な場合がある。本研究では、GC/MSを用い、培地中のDMSOを定量する分析法を検討した。

P02449.pdf
凍結保護剤としてのDMSOの役割と課題
DMSOは、細胞内における氷晶形成を阻害し、細胞や細胞小器官の保護に効果的だと考えられている。さらに細胞内に浸透しやすいことから、哺乳動物細胞などの複雑な構造をもつ細胞に汎用されている一方、細胞毒性を有することも知られている。

    凍結保存時       融解使用時
   
・ 細胞
・ 凍結用培地(10%DMSO)
・ 約10倍量の新たな培地を加え,遠心分離
・ 上清を除き細胞を使用 → DMSOが残留する

試料溶液の調製

培地のモデル試料に「DMEM+10%FBS」及び「M’cCoy’s 5A」を選定し、DMSO 4 μg/mL を加えた溶液を調製した。除タンパクはアセトンを用いた。

標準溶液(0.2~20 μg/mL)における直線性   DMSO 4 μg/mL 添加における添加回収率
 
 
  

 
*) 住田 佳代ら、DMSOがヒト凍結肝細胞の遺伝子発現に与える影響(第37回日本トキシコロジー学会学術年会)      

カテゴリー

ライフサイエンス , 医薬

分類

再生医療/培養装置・培地・試薬, 安定性試験