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08/31/2021

No.0469 GD-OESによる化学強化ガラスの深さ方向元素分析

 ガラスは工業材料として重要であり、利用の目的に応じて種々のガラスが存在する。ここでは、他の深さ方向分析手法と比較して、より広い面積をより深くまで分析可能なGD-OES(Glow Discharge Optical Emission Spectrometry) を使用して、化学強化ガラス中の深さ方向元素分布を確認した分析事例を示す。

GD-OESの特徴
 
 ・ 分析可能領域が広い: ~7 mmφ
 ・ 分析可能深さが深い : ~100 μm

一般的なガラスと化学強化ガラスのGD-OES分析事例

    一般的なガラス                         化学強化ガラス
 何れのガラスからもNaを検出。化学強化ガラスは、表面付近においてK濃度が高く、Na濃度が低い。GD-OESを使用することで、このようなガラス中の深さ方向元素分布を簡単に評価することができる。一般的に、ガラス中にNaを含有させることで軟化点が下がり成形が容易になる。化学強化ガラスでは表面付近のNaをイオン半径の大きいKにイオン交換することで、ガラス表面に圧縮応力を付与して機械的強度を向上させている。また、ガラス中に組成成分としてAlを含有することで、Kがより深くまで拡散する。

カテゴリー

材料・素材

分類

金属・無機材料