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09/29/2014

No.0115 分子材料の熱劣化解析

高分子材料は種々の分野で用いられているが、使用される間に、光や熱、湿気にさらされたり、変形を付与されることなどにより、性能低下(劣化)が生じてくる。ここでは、熱処理したナイロン66の劣化解析を行った例を紹介する。

高分子鎖の変化

分子量分布[GPC]

熱処理により、分子量が低下し、分布幅が変化した。分子鎖の切断が生じていることがわかる。

化学構造[FT-IR(全反射法)]

変色の原因の1つとされるカルボニルC=O、共役系 C=Cが生成した。熱変性物が生成していると考えられる。

結晶状態の変化

[X線回折]

回折強度のピーク幅増大から、結晶サイズの低下が生じていると推察される。

[DSC]

融解熱量の減少から、結晶化度(結晶量)の減少が生じていることがわかる。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料