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09/29/2014

No.0120 電子部品用有機・高分子材料の電気特性

電子部品として有機・高分子材料は数多く用いられているが、その用途は多岐にわたっている。電子部品は、その用途から電気特性が最も重要である。特に、絶縁性、耐電性、誘電特性などが重要であるが、ここでは、最も基本的な体積抵抗率(以下、抵抗率)に絞って、種々の測定例を紹介する。

体積抵抗率の測定方法

固体試料

三端子法

三端子法

四端子法

四端子法

液体試料 試料の導電性により手法を選択する。すなわち、絶縁性試料は三端子法、導電性試料には四端子法を適用する。

三端子法

三端子法

封止材の抵抗率の温度依存性

基板上の封止材(2種類:厚さ数十μm)に対して抵抗率測定を行った。エポキシ系封止材の抵抗率は80℃まで大きく低下した。シリコーン系封止材の抵抗率は温度変化が小さいが、120℃付近を極小として増大に転じた。

封止材の抵抗率の温度依存性

衝撃吸収材の抵抗率に対する水の影響

配線接合部の衝撃吸収材として、高分子ゲルが用いられる。未反応ゾルとゲルの抵抗率はほぼ同等である。ゾル成分の抵抗率は僅かな水分が含まれるだけで大きく低下した。ゾル成分を多く含むゲルでは、ゲル全体の抵抗率の低下も招きかねない。ゲルを用いる温度域における、ゾル成分の抵抗率の把握も重要となる。

衝撃吸収材の抵抗率に対する水の影響

衝撃吸収材の抵抗率に対する水の影響

導電性接着剤の抵抗率のフィラー含有率依存性

フィラー(Ag)含有率の増加とともに抵抗率は低下する。含有率が大きくなると、導電パスの形成により、抵抗率は劇的に低下する。試料の導電性に応じた手法で抵抗率を測定することが必要となる。

導電性接着剤の抵抗率のフィラー含有率依存性

導電性接着剤の抵抗率のフィラー含有率依存性


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料