09/24/2014
No.0031 OLEDの深さ方向評価
有機EL素子は、数~数十nm程度の厚さの有機積層薄膜のため深さ方向の評価が非常に困難である。ここでは輝度劣化(駆動劣化)させた高分子型有機EL素子について、精密斜め切削法との組合せにより深さ方向評価を行った事例を紹介する。
素子構成と評価方法
<分析> |
精密斜め切削法で作製した傾斜面を各種手法で評価した。 |
評価手法例: | | |
| 顕微-PL法 | 発光分布 |
| TOF-SIMS | 組成分布 |
| イメージングIR法 | 化学構造分布 |
| XPS | 元素組成分布 |
顕微PL法による発光分布評価
発光層からの発光(青色)である470nmピーク強度分布について評価を行った。 輝度劣化前後で、PL発光強度の低下、EML/HTL界面付近で発光劣化部の広がりが観測され、駆動劣化により発光層の劣化が起きている事が確認された。
TOF-SIMSによる組成分布評価
輝度劣化前後共にEML/HTL界面付近でCN-の強度が増加していた。また劣化後では、EMLおよびEML/HEL界面付近でNaが増加していた。EML/HTL界面付近で、膜変化が起きている事が確認された。
分析機能と原理
カテゴリー
IT機器
分類
有機ELディスプレイ