02/18/2016
No.0281 欠損ペプチドの配列解析
ペプチドの化学合成では、アミノ酸が複数欠損したペプチド(欠損ペプチド)が副生し、ペプチドの配列によっては、目的とするペプチドの収率が大きく低下することがある。
以下に、開発した欠損ペプチド配列解析プログラムを用いて、副生した欠損ペプチドの配列を網羅的に解析し、 Difficult sequence含有モデルペプチドの収率改善を行った事例を紹介する。
●欠損ペプチド配列解析プログラムの特徴
・ LC-MSを利用することで、全てのアミノ酸欠損ペプチドを 網羅的に解析可能。
・ MS/MSを行うことで、欠損したアミノ酸の種類、 および その位置を特定することが可能。
・ 修飾ペプチドの解析も可能。
例えば、N末端アセチル化、N末端ビオチン化、 C末端アミド化、リン酸化(Ser,Thr,Tyr)
●Difficult sequence含有モデルペプチドの合成
配列 VTRYLTFSNKXXXX (14残基)
●欠損ペプチド配列解析プログラムによる解析結果
配列解析プログラムの画面
(1) VTRYLTFSNKXXXX (2) VTRYLTFSNKXXXX (3) VTRYLTFSNKXXXX
(4) VTRYLTFSNKXXXX (5) VTRYLTFSNKXXXX (6)VTRYLTFSNKXXXX
(7) VTRYLTFSNKXXXX (8) VTRYLTFSNKXXXX (9) VTRYLTFSNKXXXX *赤字部分が欠損
●解析結果を用いた合成法改良の結果
解析の結果、欠損が起こりやすいアミノ酸部位は、N末端から1~5残基であることが判明した。その結果を基に、合成法を改良した。(合成の最適化は行っていない。)
カテゴリー
ライフサイエンス , バイオ
分類
ペプチド合成