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10/02/2014

No.0151 ポリマー粒子の弾性率、粒径解析

ナノテクノロジーの進展と共に、ナノ粒子を用いた材料開発への期待が高まっている。ナノ粒子の材質としては金属、炭素、無機材料、高分子、無機-有機ハイブリッドがあるが、ここではアクリル系高分子ナノ粒子に着目し、その形態観察と特性評価の事例を紹介した。材料として高分子を用いることで、粒子形状や粒径分布、密度、粘弾性などの制御が比較的容易になっており、正確な分析データの取得が今後の粒子設計に有用と考えている。 [なお、本データ取得した高分子(ナノ)微粒子は、すべて綜研化学(株)様からご提供いただいたものである。]

微小圧縮試験による粒子(μm径)の弾性率測定

微小圧縮試験による粒子(μm径)の弾性率測定

微小圧縮試験による粒子(μm径)の弾性率測定

独立した粒子1個に対して室温圧縮試験を行い、ヘルツの接触理論を応用して、粒子1個の弾性率を求めた例を紹介する。  同じ材質の、5μm径と10μm径の粒子について測定したところ、下表に示すとおり、粒子径によらず同程度の値を示した。

測定弾性率 / GPa
粒子A(φ=5um)3.6(0.5)
粒子B(φ=10um)3.4(0.4)
*測定n数=8の平均値、()は標準偏差、ポアソン比=0.4を仮



SAXSおよび動的光散乱による粒径分布測定

SAXSおよび動的光散乱による粒径分布測定1


アクリル系ナノ粒子について、小角X線散乱法(SAXS)により、粒径分布を求めた。平均粒径は14.3nmと算出され、ほぼ設計どおりの粒子が得られている。

SAXSおよび動的光散乱による粒径分布測定2


引き続き、同じ粒子について動的光散乱法を用いて、比較的高濃度の溶液中における分散状態を調べた。平均粒径は18nm程度で、100nm程度の粒子も存在しており、濃厚溶液中では粒子が一部凝集していることがわかる。


カテゴリー

材料・素材

分類

ナノ材料