close

11/12/2021

No.0533 イメージングエリプソメトリによる微小部の膜厚分布評価

イメージングエリプソメトリでは膜厚・光学定数(屈折率・消衰係数)分布を空間分解能 2 μm程度で評価が可能である。通常の分光エリプソメトリでは測定面積が小さくて評価できない 0.3 mm太さの油性ペン描画部のインキ皮膜の膜厚分布を評価した。

イメージングエリプソメトリの原理(偏光状態の変化)・ 模式図
 
エリプソメトリは光を表面反射させたときの偏光状態の変化ψ・Δを測定し、シミュレーション解析から膜厚・光学定数(屈折率・消衰係数)を算出する。イメージングエリプソメトリでは、反射光が直線偏光になるよう回転させた偏光子Pと強度0 (消光)となるよう回転させた検光子Aの角度からψ・Δが求められる。反射光強度像を光学素子P・Aを回転させながら撮影し、消光した角度から、ψ・Δのイメージング像が得られる。約400 μm角のイメージング像から、数μm程度の任意の場所の膜厚・光学定数を算出することが可能である。

油性ペン描画部のインキ皮膜分布

油性ペンインク皮膜の微小描画部の膜厚分布を評価した。皮膜厚みは350 nm程度で、皮膜が厚い部分ではその周囲で皮膜が薄くなる部分がみられる。特定エリアのヒストグラムを得ることで皮膜厚の最頻値や分布を比較できる。このようにイメージングエリプソメトリを用いることにより、数百μm角エリアにおける薄膜の膜厚分布を定量的に評価することが可能である。



カテゴリー

IT機器

分類

電子・機能性材料