11/24/2021
No.0540 有機溶媒導入型ICP-MS/MSによる有機溶媒中の微量金属元素の分析
ICP-MSは、従来、水溶液を測定対象とするが、キャリアガスに少量の酸素を導入することにより、有機溶媒を直接測定できる。最新のICP-MS/MSと組み合わせることにより、有機溶媒由来の多原子イオン干渉を効果的に回避し、正確性が高く、より高感度な測定を実現した。有機溶媒導入型ICP-MS/MSによる分析例を示す。
• キャリアガスに少量の酸素を導入し、有機溶媒によるススの発生を抑制
• 通常のコリジョンモードに対し、ICP-MS/MSのリアクションモードでは、電荷移動反応、イオン分子反応を有効に使用できるため、有機溶媒由来の多原子イオン干渉を効果的に回避可能
• 有機溶媒に溶解する試料(樹脂、レジスト、医薬品原薬等)では、灰化処理が不要 |
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有機溶媒導入型ICP-MSのプラズマトーチ |
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ICP-MS/MSの測定モードによるバックグラウンド比較 (PGMEA) |
⇒ リアクションモードにより低バックグラウンドを達成 |
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フォトレジスト材料の分析
• 半導体分野で用いられるフォトレジスト中の金属不純物は、極微量でもデバイス不良の原因となるため、不純物管理が重要
• プリント基板用ポジ型フォトレジストをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈して測定 |
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プリント基板用フォトレジスト中金属不純物分析(単位:ng/g) |
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有機溶媒中ナノ粒子の分析
• 有機溶媒導入型シングルパーティクルICP-MS (spICP-MS) を用いると、有機溶媒中ナノ粒子の粒径分布を元素種ごとに分析可能
• プロセス中の混入異物の分析に有用 |
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• Auナノ粒子標準を添加したイソプロパノールをspICP-MSで分析(Au平均粒径 50 nm) |
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カテゴリー
自動車, 電池, IT機器, 環境, 材料・素材, 半導体・実装, ライフサイエンス , 医薬, 調査
分類
燃料電池, 室内空気・大気・作業環境, 高分子材料, 有機材料・化成品, 電子・機能性材料, 複合材料, ナノ材料, LSI・IC・メモリ, パワーデバイス・ディスクリートデバイス, リソグラフィ, クリーンルームエア, 化合物半導体・オプトデバイス, 医療機器・医療材料, 安定性試験, 機能性材料, 毒性・安全性