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01/14/2021

No.0445 AFM化学修飾探針を用いたフィブリノーゲンとその受容体との相互作用評価

AFM探針(カンチレバー)にフィブリノーゲン受容体を化学修飾し、その探針を用いたAFMフォースカーブ測定(液中)により、フィブリノーゲンとの吸着力(相互作用)を評価することができた。ブロッキング実験により、検出された吸着力がリガンド-レセプター結合であることを確認した。

AFM化学修飾探針の作製法
探針を酸処理、シランカップリング処理後にフィブリノーゲン(Fg)受容体(GPIIb/IIIa)と反応させ、探針にFg受容体を修飾した。
   
             探針にFg受容体を修飾

AFMフォースカーブ法

AFMフォースカーブ法では、探針を試料に接近 → 接触・押し込み → 離反という一連の動作により探針位置と探針たわみの関係を表したフォースカーブを取得することができる。フォースカーブ解析により、探針- 試料間の吸着力(相互作用)を評価することができる。
   

化学修飾探針を用いた吸着力評価

化学修飾探針を用いて、ポリスルホン上PVPポリマーにインキュベーションしたフィブリノーゲン(Fg)およびアルブミン(BSA)との吸着力をTris-HClバッファー中にて、AFMフォースカーブ法で評価した。Fgでは吸着力が検出されたのに対し、陰性対照のBSAでは吸着力は検出されなかった。GPIIb/IIIaはFgに高い親和性を示す受容体であることから、リガンド-レセプター結合による吸着力を検出できた。
試料:フィブリノーゲン(Fg)/PVP/ポリスルホン
   
試料:アルブミン(BSA)/PVP/ポリスルホン
   

ブロッキング実験によるリガンド-レセプター結合の検証

上記測定後にフィブリノーゲン受容体(GPIIb/IIIa)とリガンドの結合をブロックするGRGDSPペプチドを添加してフォースカーブ測定を行ったところ、検出された吸着力が消失した。このことから、検出された吸着力が、フィブリノーゲン受容体(GPIIb/IIIa)とリガンドの結合によるものであることを確認できた。
     
  
                         
  
                        【 ブロッキング実験 】
 
※本研究は東レ(株)医薬研究所、先端材料研究所と共同で実施した。

カテゴリー

ライフサイエンス , バイオ, 調査

分類

タンパク質, 抗体, ライフサイエンス