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11/14/2017

No.0337 等温滴定カロリメトリー(ITC)

ITCのアプリケーションと特長

従来の機種よりも高感度 少ない試料量で測定可能
溶液内で可溶性であること ナノ粒子のコロイドは可能
・試料の分子量の制限なし
 タンパク質-低分子、タンパク質-タンパク質
 タンパク質-核酸、金属イオン-タンパク質
 ナノ材料-低分子、ナノ材料-タンパク質
・結合様式の推定が可能
 特異的結合か非特異的結合かを判別

測定例:カルモジュリン(タンパク質)とメリチン(ペプチド)

カルモジュリン(タンパク質)とメリチン(ペプチド)

Ka (1/M)
ΔG (kJ/mol
ΔH (kJ/mol
TΔS (kJ/mol)
4.69×107
-43.78
27.41
-71.2
Kaの値が大きく、カルモジュリンとメリチンは非常に強く結合
・熱力学的プロファイルから、 ΔS優勢の疎水性相互作用が支配的
医薬品開発と熱力学的プロファイルの変遷

医薬品開発と熱力学的プロファイルの変遷


新しく改良された低分子化合物の薬ほどΔH 優勢で特異的に結合

相互作用解析の各手法の比較

手法
SPR
STD-NMR
ITC
原理
センサー表面の屈折率変化
飽和移動に伴うシグナル強度の変化
熱量変化
試料の前処理
センサーチップへの固定化
なし
なし
リガンド分子量
高分子が望ましい
(>8000Da)
低分子量が望ましい
(<500Da)
制限なし
測定可能なアフィニティー
mM~nM
mM~ μM (弱い結合)
mM~nM
必要蛋白質量
10 μg 程度
1 mg 程度
数百 μg 程度
得られる情報
Ka  Kon  Koff
Ka
Ka  n  ΔH  ΔS
結合様式
結合部位情報
×
×

カテゴリー

ライフサイエンス , 医薬

分類

創薬研究支援