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03/04/2021

No.0467 動的光散乱法による溶液中ポリマーサイズの溶媒・温度依存性解析

動的光散乱(DLS)法では、液中の散乱体のサイズ分布を得ることができる。評価可能なサイズは最小1nmであり、粒子分散液のみならずポリマー溶液にも適用できるため、塗液、高分子医薬品等の開発に有用である。ここでは、感温性ポリマーの凝集過程を評価した例を紹介する。

動的光散乱(DLS)の概要
<得られる情報>
・ 液中の散乱体のサイズ分布
 ※評価可能サイズ:流体力学的半径Rh 1nm~数μm
<特徴>
様々な溶媒に対応
任意の温度プログラムでの測定が可能
 ※温度範囲:-15~150℃

<測定原理>
 


散乱光強度の時間変化は、散乱体のブラウン運動によってサイズに応じた揺らぎを示す。自己相関関数を算出し、多成分の指数関数でフィッティングすることで、サイズ分布を得る。
 
※サイズの算出には溶媒の屈折率、粘度が必要

測定例:感温性ポリマーの凝集過程

試料:PNIPAM(ポリイソプロピルアクリルアミド)溶媒依存性
 
 
 温度や溶媒により分散状態が変化
メタノール添加によりサイズ増大
温度依存性溶媒による転移温度の変化

        昇温によりサイズ増大(凝集)
メタノール添加により転移温度低下


カテゴリー

自動車, IT機器, 材料・素材, 半導体・実装, ライフサイエンス , バイオ

分類

高分子材料, 有機材料・化成品, 電子・機能性材料, ナノ材料, タンパク質, 糖