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01/14/2021

No.0443 加熱時に発生する不安定ラジカルの検出

ポリマーの熱劣化は不安定ラジカルの生成により引き起こされる事が多く、その検出と構造同定は劣化メカニズム解明に有効である。不安定ラジカルは寿命が短く、直接検出が難しいケースが多いが、スピントラップ剤を併用したESR測定(=高温スピントラップ法)では、不安定ラジカルの間接的な検出が可能となる。

不安定ラジカルの検出法:高温スピントラップ法高温スピントラップ法の試料調整

         ※不安定ラジカルは寿命が短く、直接検出できない事も多い

   ご依頼試料と試薬を混ぜて(※当社で実施)、
   ESR測定試料とする。
PBTのESRスペクトル(空気下、180℃)ラジカル生成挙動
    

      
主に3種のラジカルのシミュレーションスペクトルの重ね合わせで説明できる
およそ100℃以上で不安定ラジカルを検出

PBTの構造

・テレフタレート部位のラジカルは検出されず。
・加熱により、主にブチレン部位のC-HやC-C結合が開裂すると考えられる。

分析機能と原理


カテゴリー

材料・素材

分類

高分子材料